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【絵本ナビのプラチナブック】かがみのえほん 『きょうのおやつは』 わたなべちなつ

【絵本ナビのプラチナブック紹介】 かがみのえほん『きょうのおやつは』 わたなべちなつ

鏡のように反射するピカピカの紙でつくられた絵本です。絵本を開くと、両側のページの絵が互いに映りこみ、驚くほど立体的に見えます。卵をわって、小麦粉、砂糖、牛乳を入れて…さあ、なにをつくるんでしょう。ページに自分の姿も映りこむので、その場にいるような気持ちになります。ともかく百聞は一見に如かず。ぜひページを開いてみて下さい。未だかつてない新鮮な視覚体験と、おやつづくりの気分が満喫できます。

出版社からのコメント

泡立て器にスプーン、銀色のボウル…次々登場するおやつづくりの道具。でも、それを持つ手は描かれていません。実はこれ、「読む人自身におやつづくりを楽しんでいただきたい」という著者の遊び心なのです。道具の端に手を添えれば、おやつづくりに参加している気分を味わえます。年齢を問わず楽しんでいただける本です。プレゼントにも最適。美しいにじが七変化する姉妹本『ふしぎな にじ』もおすすめです。

この絵本は、グラフィックデザイナーで造形作家でもある、わたなべちなつさんの初めての絵本です。作者は大学時代からかがみを使ったしかけに興味があり、自分で料理したり、用意したものを写真に撮って、加工したイラストを作りました。

鏡のように反射する紙に印刷するために、生々しくない程度に色や質感を調整しています。また、鏡の効果で立体的に見えるように、絵の構成や配置も工夫しています。

この絵本は、グラフィックデザインや構成の基礎を学んだ作者のセンスと技術が光る作品です。

絵本ナビのプラチナブックに選ばれており、人気が高いことが伺えます。海外の友人の子どもたちにも好評だったという感想や、翻訳版の出版を望む声もあります。この絵本は、日本だけでなく世界中の人々に楽しんでもらえます。

子どもだけでなく大人も夢中になる絵本です。読んであげるなら5-6才から、自分で読むなら小学低学年からおすすめです。福音館書店から発売されており、定価は1650円(税込)です。同じシリーズで『ふしぎなにじ』『かがみのサーカス』という絵本もあります。合わせてお楽しみください。

著者について

わたなべ ちなつ(渡邉 千夏)
筑波大学芸術専門学群卒業。グラフィックデザイナーとして家庭用品メーカーに勤務の後、現在は愛知県立芸術大学大学院に在籍している。「しかけの視覚伝達デザイン」をテーマに、作品を製作している。